手づくりの優しさとコク〈小栗美笑子さんのチーズ〉

編集者による偏愛商品を紹介する、「Hokkaido Report」のコーナーです。

猿渡

美笑子さんのチーズは、種類によって表情がガラリと変わります。「ペレ」はクリーミーで深みがあり、「モッツアレラ」は淡泊ながらも、風味豊か。鰹節を乗せ、しょうゆを垂らして食べるのが美笑子さん流だとか。私のおすすめはカチョカバロの「ヤクモ」。熱を加えると伸びるのでオムレツの中に入れたり、グラタン、ピザなど幅広く使えます。

美笑子さんは、何となく気力が湧いてこないときに、エネルギー補給としてひと齧りするそうです。

Hokkaido report

チーズ工房小栗の美笑子さんのチーズセット 4,000円

「私、自分のところ(牧場)の放牧風景が大好きなの」。開口一番こう言って、にっこりと笑顔を見せてくれたのは、小栗牧場内でチーズ工房小栗を営む小栗美笑子さん。

小栗牧場は放牧酪農で牛を育てています。太陽の光を浴びた牛は、体内でビタミンDを生成。その健康な牛の糞や尿が有機肥料となると、土が元気になり、元気な草が生えます。そして、その牧草を牛が食べ、さらに元気になるという、優しい循環が生まれるそうです。こだわって生産した生乳でも、牛乳として出荷する際には他の牧場のものと混ぜ合わせてしまいます。だから美笑子さんは、放牧酪農の良さを伝えられる、混じり気なしの生乳で造るチーズをとても大切にしているのです。

30年前から美笑子さんが家族のために続けてきたチーズ造り。2004年からは自宅に工房を構え、少しずつ販売用にも製造しています。

「私たちは生きていくだけで、どこかしら環境を破壊してしまう。だからこそ、少しでも未来を繋げることを考えてやっていかなくてはならないと思うの」。原点に立ち戻るという、酪農の価値観を伝える手段としてのチーズ造り。まろやかな生乳の味わいは、優しく真っすぐな美笑子さんの思いをそのままに映し出し、私たちに多くのことを訴えかけています。

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この記事を書いた人

スロウ日和編集部

スロウ日和編集部

好みも、趣味もそれぞれの編集部メンバー。共通しているのは、北海道が大好きだという思いです。北海道中を走り回って見つけた、とっておきの寄り道情報をおすそ分けしていきます。