雄大な包装紙に隠された、板画家と二代目のつながり

包装紙、パッケージの箱、紙袋、洋服のタグ、ショップカード、名刺…。とにかくデザインと紙が好きで、いつの間にか私の引き出しは紙モノでいっぱいになりました。そして不思議なのは、好きだなと感じたデザインは中身も好きなことが多いということ…。包み紙には、店主の想い、その土地の歴史までもが込められている気がして、そういうところも好きです。

北海道の自然と雄大な大地を感じる力強いデザイン、紙の手触り….。
今回ご紹介するのは、帯広市竹屋製菓のそばやきの包装紙。力強いタッチで描かれた筆の絵に、ひと目でとても惹かれました。
このデザインには、どんな物語があるのでしょう?(取材時期 2020年9月)

Shop Data

竹屋製菓
住所 帯広市東8条南7丁目19
電話番号 0155-23-1758
営業時間 9:00~17:00
定休日 日曜日・年始
URL http://www.takeyaseika.net

有名板画家まで届いた、二代目の熱い想い

デザインを手がけているのは、世界的にも有名な板画家、棟方志功(むなかたしこう)。竹屋製菓の二代目が、あるテレビ番組で見た棟方志功の生き方に感銘を受け、東京まで会いに行ったそうです。すると二代目と棟方志功は意気投合し、実際にそばやきを食べてもらい、描いてもらえることもらえることになりました。店内にはいたるところに棟方志功の板画が。店名が入った句もありました。

いつも感謝の気持ちを持って生き、板画も木がもつ性質を大切にしながら、「板の声を聞き木の魂というものを直に生み出す」という想いで作品を作ってきた棟方志功。きっと二代目の考え方や想いが棟方志功ととても合ったのでしょう。二代目の人柄までもが思い浮かびます。

※通常「版画」と表記するが、板の声を聞くという棟方志功の想いから、自身の版画を「板画(ばんが)」と称していた。

こだわりはお菓子の中にも

包装紙もさることながら、そばやきの製法にも素材を大切にしたこだわりがあります。
つなぎを使わず、そば粉のみで仕上げたサクサクの生地。中にはもちもちの求肥と十勝産のあんが包まれており、優しい味わい。お茶にも珈琲にも合う、大人のお菓子という印象を受けました。

北海道の四季を表現した力強いデザインは、素朴だけれど北海道の素材の味をしっかり感じられるそばやきによく合っています。三代目も家宝だという棟方志功の倭絵に包まれた北海道の味、そばやき。お土産にも喜ばれます。

この記事を書いた人

原優美子

原優美子

wakuwakudesign所属。エディトリアルデザイナー。自然豊かな北海道に惹かれ、大阪から移住。特に好きなのは芽室の畑の風景。趣味はお菓子づくり、紙モノ収集。休日は自然の中へドライブ。