北海道の森の空気感をまとうデザイン

写真提供/フプの森

北海道のデザインの「らしさ」を調べる、「northern design研究室」より2回目のレポートをお届けします。研究対象は、下川町のフプの森の商品。白を基調とした優しい色使いや、側にあるだけでうれしくなるプロダクトデザイン…。そういった見た目に心奪われたのが最初のきっかけでした。ですがこんなにも心惹かれたのは、森や人への思いやりを感じる作り手のストーリーがあるからこそ。実際に話を聞いて、改めてそう思いました。

Shop Data

フプの森
住所 北海道上川郡下川町北町609
電話番号 01655-4-3223
営業時間 9:00~17:00
定休日 土・日曜、祝日
URL https://www.fupunomori.net

「トドマツ」は北海道より北に生育するモミの木の仲間。フプの森ではこの香りに「北海道モミ」という名をつけました。

林業の過程で出る、材としては使うことのできない枝葉などの未利用資源から北海道モミの香り成分を抽出し、コスメ商品を作る下川町のフプの森。「森からの恵みを大切にしたい」という想いが根底にあります。原料は北海道の森から。成分は天然のものを使用しており、身体にも地球にも優しい高品質な製品です。

大切にしているのは、「北海道の素材であること」、「高品質を追求すること」、「森とくらすライフスタイルを伝えること」。その思い入れはパッケージからも感じられます。

写真提供/フプの森

森を取り入れる生活を提案するNALUQ(ナルーク)のパッケージは、アウトドアにも室内にも馴染むユニセックスなデザイン。ヨーロッパのシャレー※をイメージしたというロゴには、慌ただしい日常の中でも、肩の力を抜いて森を身近に感じ、ゆったりとしたひと時を過ごしてほしいという想いが込められています。
※アルプス地方でよく見られる木造建築の山小屋のことで、ヨーロッパではこの建物でゆったりと休日を過ごすそう。

ナルークとは、森で働く人たちが使っていた「なるい」という言葉が由来。「ゆったりと穏やかに」という意味で、植物や動物たちが過ごす森の時間に寄り添った、あたたかい暮らしをあらわしています。

動物たちの表情にあたたかい気持ちになるパッケージ。

毎朝、森を感じ、森の香りに包まれる

ヘアケアシリーズのパッケージは、「北海道の動物たちが迎えるそれぞれの朝」を表現しています。朝霧がたちこめる中でゆったりと草をはむエゾシカ、澄んだ朝の空の下を闊歩するヒグマ。香りとともに、北海道の森の情景が浮かびます。実際に下川町の森では、雲海もよく見られるそう。

貴重なアカエゾマツの精油を使っているビアードオイルを包むパッケージには、エゾマツの端材の粉末を紙に漉き込んで作られるエゾマツの紙を。

下川町産トドマツの葉が添えられたギフトボックス。開けると森の清涼感が伝わってきます。

森から離れた生活をしていても、日常の中で森を身近に感じられる。
パッケージに込められたストーリーを想像するだけであたたかい気持ちになる、そんなデザインが魅力です。

この記事を書いた人

原優美子

原優美子

wakuwakudesign所属。エディトリアルデザイナー。自然豊かな北海道に惹かれ、大阪から移住。特に好きなのは芽室の畑の風景。趣味はお菓子づくり、紙モノ収集。休日は自然の中へドライブ。