「泊まる」のが新しい!長沼町の遊び方。

町を一望するマオイの丘にある、完全予約制のプライベートテラス。絶景の中、ワイナリー直送のワインやリンゴジュースを味わえます。(https://maoisalud.com/写真:maoi salud 夕空)

長沼町は、札幌から車で1時間ほど、新千歳空港からは30分ほどのところに位置する小さな町。 観光客にとっての立ち寄り先であり、札幌に暮らす人々にとっては日帰りの旅行先として人気の長沼町。そんな長沼町の遊び方が、ここ最近少し変わってきているようです。これまでは「通りすがり」「日帰り」が多かった町の観光スタイルに、「宿泊」という選択肢が広がっているのです。(取材時期 2022年9月)

宿泊施設がオープンし、滞在型で楽しめる場所に。

札幌や新千歳空港からのアクセスが抜群で、多くの人が立ち寄る長沼町。多品目の野菜や米が生産され、特産品のジンギスカンやどぶろくはもちろん、移住者を中心とした個人が営む小さなカフェや雑貨店がじわじわと増加していることからも、若い世代の注目を集めています。

観光客にとっての立ち寄り先であり、札幌に暮らす人々にとっては日帰りの旅行先として人気の長沼町。そんな長沼町の遊び方が、ここ最近少し変わってきているようです。これまでは「通りすがり」「日帰り」が多かった町の観光スタイルに、「宿泊」という選択肢が広がっているのです。それは、町内にいくつかの宿泊施設がオープンしたから。1棟貸しタイプのバケーションハウスや、道の駅に隣接したホテルや温泉施設など、旅のかたちに合わせた宿泊施設を選ぶことができるようになったことで、夕方から夜にかけてや、翌朝のアクティビティを楽しむ選択肢が広がりました。

中でも注目なのが、2022年に始まったばかりの「馬追蒸溜所」の取り組み。元々マオイワイナリーとして小規模でワインの醸造をしていたオーナーから引き継がれ、ワインはもちろん、シードルやブランデーなどの製造も行われることに。産地のすぐそばでお酒を味わえるのは、宿泊付きの観光ならではの醍醐味です。蒸溜所のブドウ畑を見下ろすテラスでは、長沼を一望しながらグラスを傾けることも可能(トップ画像参照)。町ではこれからも、いくつかの場所に同様のテラスを設け、長沼の絶景とグルメを満喫できるスポットをオープン予定だそうです。

お日様が出ているうちは、田園風景の中をドライブしつつ、ぽつりぽつりと点在するカフェに立ち寄ったり、道の駅の直売所で野菜を買うのも良いでしょう。日が傾いてきたら、蒸溜所のテラスでのんびりワイン嗜み、町に出てジンギスカンや野菜たっぷりの料理に舌鼓。温泉に浸かったらあとはフカフカの布団でぐっすり眠るだけ。翌朝の収穫体験や朝市を見据えるなら、夜は早めの時間に休んでおいたほうが無難です。もぎたての野菜やそれらを使った朝ごはんを食べることができるのは、畑の隣に泊まっているからこそ。

「おいしい!」が盛りだくさんの長沼の楽しみ方の一部を、モデルルートにしてご紹介します。

【DAY1】

■■カフェ巡り■■

スロウ日和編集部

挽きたてのコーヒーやスパイスカレー、たっぷりの野菜が味わえる数々のカフェ。はしごするのもおすすめです。

●shandi nivas cafe

移住者夫妻が営むスパイスカレーや焼き菓子の店。畑を望む座席もあります。
https://shandinivas.com/

●コーヒータイムユズヤ

炭火自家焙煎珈琲と手作りお菓子の店。ヨガスタジオも併設。子ども連れでも入れます。

Instagram @coffeetimeyuzuya

●カフェコフェル

野菜がたっぷりのガレットの店。町の食材の魅力が凝縮されたメニューです。

https://kopher614.wordpress.com/

■■夜の長沼を満喫■■

スロウ日和編集部

宿泊するからこそ楽しめる、夜の遊び方もいろいろ。せっかくなら、料理も温泉も、産地に近い場所で満喫するのが断然おすすめです。

●農家でBBQ


町でこれから商品化を考えているというアクティビティ。畑の真ん中で、長沼食材だけでBBQ。最高の贅沢です。

●ながぬま温泉


町内のながぬま温泉は、源泉かけ流しの湯を楽しめる温泉宿。日帰り入浴も可能です。
https://www.naganuma-onsen.com/

●フェアフィールド・バイ・マリオット北海道長沼マオイの丘公園


2022年にオープンしたばかりのホテル。道の駅に隣接しているため、観光の拠点として便利。

https://www.marriott.co.jp/ctsfn

【DAY2】

■■朝のアクティビティ■■

スロウ日和編集部

農家さんの多い地域だから、町民の朝は早い(?)
町民になった気持ちで、朝からアクティブに活動してみませんか?

●農家の野菜朝もぎ体験

町内のいくつかの農家で体験できる、野菜の収穫体験。もぎたてのトウモロコシや枝豆は何よりのごちそう。採ったばかりの野菜を、町内のベーカリーでゲットしたパンと一緒に食べれば、長沼町の魅力が詰まった特別なごちそうの出来上がり。

●農家の嫁朝市

2021年から夏場の月1回、長沼神社で行われている朝市。朝6:00~9:00、近隣の農家の花や野菜、加工品や朝ごはんにぴったりなメニューを出す店が軒を連ねます。

Instagram @winter_handicraft

■■テイクアウトグルメ■■

スロウ日和編集部

食べたいものがたくさんあって、2日間じゃ回り切れない!
そんなときは、テイクアウト。帰り道や、帰った後も、長沼の「おいしい」を堪能。

●いしかわパン

国産・無農薬・無添加にこだわった薪窯パン。噛み締めるほどに味わい深い、ハード系パンがメインです。

Instagram @ishikawapan_naganuma

●PIEME

オーストラリア出身の店主が祖母の味を再現したミートパイの店。長沼や近隣の食材を使っています。

https://pieme.me/

スロウ日和編集部

★★ナガヌマONSENバス、無料実証実験中(~2023年1月)★★
長沼町内を走る無料バスで、宿泊先のホテルから市街地や温泉まで行けちゃいます。16時台から21時台まであるので、宿泊時の交通手段にとっても便利。

この記事を書いた人

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片山静香

雑誌『northern style スロウ』編集長。帯広生まれの釧路育ち。陶磁器が好きで、全国の窯元も訪ねています。趣味は白樺樹皮細工と木彫りの熊を彫ること。3児の母。