おいしくてうれしい工夫を散りばめて〈隠れ家カフェ晴耕雨読〉

2015年にオープンした晴耕雨読は、元々カフェ巡りが大好きだった小島拓さん、美香さんが営む隠れ家カフェ。料理にも、空間にも、小島さん夫妻が「こうだったらうれしいだろうな」と、お客さんの立場に立って考えた工夫が散りばめられています。旬の野菜をたっぷり使ったランチプレートは、満足感たっぷり。大空町で落ち着いてランチを楽しみたいとき、訪ねたくなるお店です。(取材時期 2023年2月)

Shop Data

隠れ家カフェ 晴耕雨読
住所大空町女満別西4条5丁目3-4
電話番号 0152-77-9971
営業時間 11:30〜16:30
定休日 水・木・金曜
Instagram @seikoudoku_okhotsk.hokkaido

「こうだったらうれしいだろうな」。夫婦の思いが体現された場所

晴耕雨読の小島拓さん、美香さん夫婦にとって、カフェを開くことは、「たくさんの笑顔が見られる仕事を」と考えた中で見つけたひとつの手段だった。

小島拓さん、美香さん夫妻。拓さんは京都、美香さんは道内の出身。

以前は東京で働いていた2人。「どんな仕事も大変だけれど、笑顔になる人を見て『また頑張ろう』と思える。ところが当時はだんだんとその活力を得られなくなってしまって」。人に笑顔になってもらえる仕事がしたい。次第に強くなったその思いを実現する場所として選んだのは、毎年旅行で訪れていた北海道のオホーツク地方だった。

カフェを開くという道へ進んだのには、理由があった。「カフェに来る人ってなぜかみんな良い顔をしているんです。こんな笑顔を生み出せる仕事ってすばらしいなと思って」とは、美香さん。拓さんも続く。「カフェは、いろんな人に気軽に来ていただける。その入り口の広さが一番の魅力ではないかと考えました」。


2021年5月にオープンを迎えた晴耕雨読。提供されるのは、「喜んでもらいたい」という2人の思いが表れた料理の数々だ。たとえば、野菜中心のおかずを数種類味わえる「本日のランチプレート」。「手作りのおかずをいろいろと、野菜もたっぷり食べられたらうれしいだろう
なと思って」と美香さん。単品メニューのコロッと丸い小さなメンチカツは、「もうひと品追加できたら満足感も得られるのでは」と考案したという。

自分が客だったら、どんな料理があったらうれしいだろう。こうだったら喜ぶだろうな。そんな工夫が随所に散りばめられている晴耕雨読。それは、カフェ巡りが大好きだという2人だからこそ生み出せるものなのだろう。

開店からもうすぐ2年。「日々悩みながらです」。そう言いながらも、2人の目線は明るい未来へと向けられている。それは、訪れる人の笑顔がエネルギーの源になっているからに違いない。自分たちらしく。楽しみながら。その働き方や暮らしは今、店と共にこの土地に根づき始めている。

スロウ日和編集部

ランチの内容は日替わり。お店へ行く度に「今日はどんなおかずかな?」というワクワクがあります!

この記事の掲載号

northernstyle スロウ vol.74
「薪ストーブと、手づくりの冬」

北海道の冬の代名詞とも言える薪ストーブ。さまざまな家庭を訪ね、「料理」を軸に薪ストーブの活用方法やその魅力を掘り下げる。

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スロウ日和編集部

好みも、趣味もそれぞれの編集部メンバー。共通しているのは、北海道が大好きだという思いです。北海道中を走り回って見つけた、とっておきの寄り道情報をおすそ分けしていきます。