マルフ珈琲の一杯がくれる、贅沢な「非日常」。

清里町から裏摩周へと続く道の途中に佇むマルフ珈琲。周囲には林が広がり、看板も小さく、迷わず辿り着くのは至難の業かもしれません。ここで味わえるのは、贅沢な「非日常」。店主の佐藤桂涼(けいすけ)さんが、豆の産地や焙煎度合いに合わせて一杯ずつ淹れてくれるコーヒーは格別のおいしさ。サイフォンによる抽出方法や使用するコーヒーカップ選びもこだわりが詰まっています。「来ようと思わないと辿り着かないお店」、ぜひ扉を開けてみてください。(取材時期 2024年2月)

Shop Data

マルフ珈琲
住所 清里町緑町71-50
電話番号 0152-27-5615
開館時間 4〜12月10:00〜16:00、1〜3月 10:00〜15:00
営業日 金・土・日曜
Instagram @marufu_coffee

迷ってでも訪ねたい、極上の一杯に出会えるコーヒー店

清里町緑町。町の中心部から裏摩周へと続く道の途中、山間の集落にマルフ珈琲はある。案内板は立っておらず、店前に掲げられた看板も控えめ。迷わずに辿り着くのは至難の業だ。

オーナーのとねさんは、自称「資格マニア」。30年勤めた公務員を早期退職し、自己流で豆の焙煎から楽しんでいたコーヒーの世界を追求しようと、札幌のコーヒー店で働きながら本州のセミナーに参加し、国際的な鑑定資格である「Qグレーダー」など数々の資格を取得。さらには調理師学校にも通うなど、趣味にとどまらない熱量で腕を磨いていた。そんな日々を過ごす中、\5年ほど前に清里町へ移住。当初は店を開くつもりはなかったが、町の起業支援事業に背中を押され、コーヒー店を始めることを決意。2019年3月にマルフ珈琲をオープンさせた。

オーナーのとねさん(写真左)と佐藤桂涼さん(写真右)。互いに信頼し合う良い関係性。

その後の約3年間を「とにかく忙しかった」と、振り返るとねさん。そのてんやわんやぶりを見かねて手伝いを申し出たのが、現在一緒に店を切り盛りする佐藤桂涼(けいすけ)さんだ。コーヒー店で経験を積んできた佐藤さんが加わったことで、店はさらなる進化を遂げたという。中でもサイフォンはその最たるもの。今では少なくなった淹れ方だが、さらに佐藤さんは豆の産地や焙煎度合いによって差し水や氷を加えるなど、ひととおりではない工夫を凝らした抽出方法を行っている。

マルフ珈琲が目指しているのは、普段とはひと味違う、非日常の空間。「この店は、来ようと思わないと辿り着けない場所なんです」。店をめがけて遠方からわざわざ来てくれる人たちに感謝の気持ちを込めて、非日常を味わってほしい。だからこそ、品揃えの豊富さに驚いてもらえるように豆は種類多く取り揃えて。サイフォンによる抽出方法、使用するコーヒーカップ選びにも人一倍こだわり抜いて。極上の一杯。マルフ珈琲で提供されるコーヒーには、その言葉がしっくり馴染む。

店で扱うコーヒー豆は15種類ほど。すべて自家焙煎で用意。
とねさん、
佐藤さん

コーヒー豆は常時15種類ほど用意しています。在庫がなくなり次第新しい豆を入れて、ラインアップも少しずつ変えています。

この記事の掲載号

northernstyle スロウ vol.74
「薪ストーブと、手づくりの冬」

北海道の冬の代名詞とも言える薪ストーブ。さまざまな家庭を訪ね、「料理」を軸に薪ストーブの活用方法やその魅力を掘り下げる。

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スロウ日和編集部

好みも、趣味もそれぞれの編集部メンバー。共通しているのは、北海道が大好きだという思いです。北海道中を走り回って見つけた、とっておきの寄り道情報をおすそ分けしていきます。