数々の賞を受賞し、町づくりで脚光を浴びる下川町。町が有名になる前から、町づくりの礎となる部分を培ってきたからこそのイマがあります。そんな”礎”を築いてきた1人が、町のメインストリートで「あそべや」という店を営む奈須さんです。NPO法人森の生活を立ち上げ、町議会議員へ。そのあと小さな町を開くに至った奈須さんのこれまでを尋ねました。
Shop Data
あそべや
住所 下川町錦町34
営業日 13:00~18:00
URL https://www.facebook.com/momongajump
制度の中から町を見て、辿り着いた一つの考え
持続可能な開発目標「SDGs」や環境未来都市計画など、さまざまな取り組みが評価されている下川町。背景には、たくさんの人が積み重ねてきたこれまでがあります。
奈須憲一郎さんも、今の下川町の礎を築いてきた一人。1999年に移住し、NPO法人「森の生活」を立ち上げた後は、町議会議員へ。制度の中に身を置いて町の未来を考え抜いた結果、「持続可能な未来は今が続いた先にしかない」という考えに辿り着きました。
また、“環境”と言うと、どうしても身の回りのことだと考えがちですが、奈須さんは「人間も含めた“環境”と考えることが大切」と言います。持続可能な社会は、自然も人間も全部含めた環境が調和した先にあるのかもしれません。
町の未来は、今の幸せを見つめた先に
その考えの下、2018年12月から不定期で始めたのが、誰でも自由に遊び、挑戦できる場「あそべや」です。町民の有志がイベントを開催したり、塾やコワーキングスペースとして利用できたり。ボードゲームやフェアトレードの雑貨も販売しています。「人が、その人らしく幸せに生きられる社会を目指したい」。大きな思いを叶えるのは、小さな店の一角から。世代を超えた人たちがあそべやに集うことで新しい化学反応が生まれ、下川町はもっと楽しい町になっていくでしょう。
NPOや議員、町の店主と形は変わっても、奈須さんの軸にはいつも、下川町の未来を思う揺るぎない心がありました。
地域の小さな挑戦をかたちにする場所、あそべや
「人類の背中を押してきたものこそ“あそび”」と奈須さん。店内では、開店のきっかけとなった世界中のボードゲームや、フェアトレードブランド「PeopleTree」のお菓子、町内の作り手による作品や商品も手に取ることができます。コロナ禍が落ち着いた暁には、店内の空きスペースをコワーキングスペースとして開放したり、空いている2階部分を活用したりと、広く町民に活用してもらえるようにする予定もあるとのことです。
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この記事の掲載号
northernstyle スロウ vol.67
「小さな菜園を持ったなら」
プロじゃなくても、農業のいろはを知らなくてもいい。思いのほか気軽に、食べ物を作る場に立つことができるのが家庭菜園。広い北海道の地で菜園を楽しむ人たちを訪ねました。