「北海道らしさ」を存分に味わうには、畑の景色と食事を一緒に楽しめるファームレストランがぴったりです。のんびり流れる田舎時間。遠い雲を眺めながらおいしい食事に舌鼓すれば、最高の「スロウ日和」になるでしょう。わがまま農園カフェは、休みの日に遠出して行きたいとっておきのカフェ。札幌市から約40分で着くという立地もうれしいポイント。心も身体も、充電しに出かけませんか?
Shop Data
わがまま農園カフェ
住所 石狩市八幡町高岡87-3
電話番号 080-1885-0050
営業時間 11:00~日没(ランチ~14:30)
定休日 火・水曜、冬季休業、不定休あり
たまにはわがままもいいんじゃない?
畑と丘陵が広がる気持ちの良い道の途中、一瞬視界に入った看板が気になって引き返してみれば、「わがまま農園カフェ」と手描きの小さな文字。敷地内に足を踏み入れてみると、ポツポツと立ち並ぶビニールハウスと、腰折れ屋根の納屋があった。
ここは、田中勝吉さん、民世さん夫妻がガーデンと畑を、娘のえみさんがカフェを営む小さな農園。名古屋出身の田中さんは、転勤で訪れた北海道に魅せられ20年ほど前に移住した。農薬や肥料を使わず、「自然に存在する菌は在ってあたりまえだから」と、のびのびと畑仕事に勤しむ勝吉さん。そして、果樹やハーブが好きでオープンガーデンを手がける民世さん。
調理師の専門学校を卒業後、パティシエや調理師として勤めてきたえみさんは、2人が丹精込めて作る野菜やベリー類、ハーブをたっぷり使って、マフィンやケーキ、カラフルなランチを振る舞っている。
目の前の畑に実るのは、トマトや葉物野菜などのベーシックな野菜から落花生などの珍しい作物までさまざま。試験栽培を繰り返しながら、カフェメニューのために少量多品種で展開している。「今日採れるものでメニューを考える日々。頭を柔らかく、ゆるやかにその土地で採れたものを取り入れていけるのが、良い。普通じゃ考えられないほどありがたい環境です」と、笑顔のえみさん。旬の野菜や果物を使うため、同じメニューが続くのはだいたい1~週間程度。「そろそろアスパラの季節」と、狙いを定めて訪れるリピーターも多いようだ。
現在はランチがお目当ての女性客が多いが、えみさんとしては、今後はカフェタイムにも力を入れたいそう。市内の焙煎工房「みちみち種や」がフレンチプレス用に作った特製ブレンドコーヒーと、優しい甘さがじんわり染み入るケーキと共に過ごす午後。たまの休みに自分を労わる過ごし方としては、最高の環境が整っている。