漢方と、アロマの力を活かして整える。町の頼れるセラピスト〈二十日-はつか-〉

2019年の冬、人口3,300人の小さな町にプロのアロマセラピストがサロンを開きました。屋号は「薬草庵」。ハーブや草花、漢方の力を活かした「薬草」と、小屋という意味を含む「庵」を組み合わせたものです。下川町の化粧品メーカーのアロマを取り入れたり、自身でブレンドしたお茶を提供したりしながら、贅沢なアロマセラピー体験を届けてきました。2022年4月からは、場所を新たに「二十日-はつか-」としてリニューアルオープン。アロマセラピー体験はもちろん、漢方茶や焼菓子を楽しめるお店が出来ました。(取材時期/2020年9月 ※2022年4月、一部追記しました)

Shop Data

二十日-はつか- (旧薬草庵)
URL https://aroma-kampo.com

※サロンは予約制です。

施術中、鳥の鳴き声や外の環境音がリラックス効果をより高めてくれます。

身に着けた知識を、自然あふれる環境で発揮したい

築90年の納屋をみんなでDIYして仕上げました。「薬草庵」では、この小屋で施術していました。

今年の冬はとりわけ気温が低く、雪も多い下川町。例年なら「遊び道具の雪が降ってきた!」と心躍らせる町民たちですが、この冬は家で過ごすことのほうが多いようです。縮こまってしまいがちな冬ですが、下川町の人はそれぞれの方法で身体を温め健康を維持していました。その一つは、塚本あずささんのマッサージを受けること。

塚本さんは2019年12月に、起業型の地域おこし協力隊「シモカワベアーズ」として東京から移住。町民に手伝ってもらい自ら改装した小屋で、薬草庵というリラクゼーションサロンを開きました。施術に、下川町の「フプの森」や「SORRY KOUBOU」のオイルを使っているのが特徴です。

自然光が心地よいサロン内。

まずフプの森のオイルを垂らした足湯で、リラックスすることからスタート。トドマツの香りが漂う小屋の中、ふわふわのバスタオルで足を包んでもらった瞬間、ずっと張っていた緊張の糸が緩んだのを感じました。身体の芯まで温まるマッサージを終えると、全身がすっきりしているのを感じます。

施術後のカウンセリングでは、感触からわかる身体の冷えや歪み、その解決法なども教えてもらいます。小さな町に、身体の悩みを知っている人が身近にいてくれることは、なんと心強いことでしょう。

「予防医療として、マッサージが日常の一部になっている。そんなサロンを小さな町でやりたくて」と塚本さん。月に一度は薬草庵を訪れて、自身の身体の状態を知り、健康に役立てる。下川町民の間で、そんな新しい習慣が生まれていました。

2022年4月20日、「二十日-はつか-」をオープン

薬草庵のオープンから約3年後、塚本さんは町内に新たな物件を購入。自らも改修を行い、アロマセラピーと漢方茶のお店を始めました。店名は、塚本さんの誕生日4月20日と、暦上の四季の変わり目(春分、夏至、秋分、冬至)が20日前後に当たることから「二十日-はつか-」に。節目を大切にしながら、季節に合わせた養生も意識していきたいという思いからこの店名に決めたそう。アロマセラピーに加えて、オリジナルブレンドのお茶や焼菓子が町の人たちの心をほぐしているようです。最新情報は、WebサイトInstagramから。

塚本さん

トリートメントのご予約時(またはご来店時)に「スロウ日和」をみたで、薬膳茶1包プレゼントいたします。

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この記事の掲載号

northernstyle スロウ vol.66
「思いを叶える場所へ」

自らの暮らす場所や環境について真剣に考えてみよう、という機運が高まりつつあるようです。それぞれの「大切な思い」を受け止めてくれる場所、北海道。自らの暮らしを現在進行形でつくり続けている人たちの物語をお届けします。

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スロウ日和編集部

好みも、趣味もそれぞれの編集部メンバー。共通しているのは、北海道が大好きだという思いです。北海道中を走り回って見つけた、とっておきの寄り道情報をおすそ分けしていきます。