採れたてのアスパラガスを堪能する、初夏の旅〈小清水町〉

北海道を代表する野菜の一つ、アスパラガス。柔らかく瑞々しい甘さは、一度味わったら忘れられない、初夏には必ず食べたくなるおいしさです。そんなこの季節だけの恵みをたっぷりと味わいたくて、生産地の小清水町へ。オホーツク海に面する小清水町では、日照時間が長いため、太陽の恵みでたっぷりと糖分を蓄えたアスパラガスが育つそう。畑で収穫するところから、ピザや炭火焼きでいただくまで。爽やかな空気と共に、採れたてのおいしさをお腹いっぱいに堪能しました。(取材時期 2024年6月)

Spot1.収穫体験

1959年頃にホワイトアスパラガスの栽培を開始した小清水町。道内でも先進的にアスパラガスの生産に取り組み、現在では17haの畑でアスパラガスを栽培しています。

おいしいアスパラガスをゲットするために向かったのは、麦乾工場の隣にある畑。太陽の光をいっぱいに浴びながら、空に向かって背を伸ばすアスパラガス。袋詰めされた状態でしか見たことがないアスパラガスが、にょきにょきと地面から生えている様子はちょっぴり不思議な光景でした。

鎌を片手に、いざ収獲。「太さではなく長さが収獲の目安になるんです」と教えてくれたのは、アグリハートセンターの山崎操さん。鎌に貼られた黒いテープを目印に、ちょうど良い長さのアスパラガスを探します。

土際に刃を当ててスッと引くと、意外にも簡単に収獲できました。そのままかじってみると、まるでジュースのような瑞々しさと濃い甘みがパッと口の中に広がりました。アスパラガスは鮮度が命。採れたてのおいしさは格別です。

探しては採り、探しては採り…。長さも太さもさまざまな、個性豊かなアスパラガスと向き合いながら黙々と収獲していると、すぐに持ちきれないほどの量に。気付けば夢中で収穫していました。

Spot.2 選果場見学

収獲したアスパラガスを抱えて、選果場へ。規格を揃えて箱詰めし、出荷の準備をする施設です。元々は玉ねぎを貯蔵する倉庫ですが、玉ねぎがない時期には選果場として活用しているそう。2023年に導入したばかりという機械を見せてもらいました。

まっすぐに整列したアスパラガスがレーンを流れていき、カットや選別の工程を経てサイズごとに分けられていきます。機械化により効率がアップし、1日になんと3tものアスパラガスを選別できるようになったそう。最後には袋に詰められて、見慣れた姿に。こうして全国へとおいしい小清水町のアスパラガスが届けられていくのだと実感しました。

Spot.3 ピザづくり

お腹が空いてきたところで、お待ちかねのピザづくり。収獲したてのアスパラガスに加え、小清水産の小麦「春よ恋」の全粒粉を使ったピザ生地、オホーツク産のトマト「なつのしゅん」のソース、美幌町の「肉の田村」のベーコンと、地元の食材をたっぷり使ったピザを作ります。

もちもちの生地を伸ばして、好きな具材をトッピングしたら窯へ。高温で一気に焼き上げるのが、おいしいピザづくりのポイントです。スタッフに教わりながらピザを窯の中へと滑りこませ、焦げないように目は離さず待ちます。ドキドキしながら蓋を開けると、こんがりとした焼き目が食欲をそそる、自分だけのピザが出来上がっていました。

あつあつの焼き立てを一口。ふっくらととした全粒粉の生地は、もっちりと香ばしい味わい。トマトソースの酸味やベーコンのうま味の中に、アスパラガスのシャキシャキとした甘みが弾けます。

アスパラガスのおいしさを堪能していると、「焼けましたよ!」という声が。まるごと炭火焼きにした、アスパラガスです。

じっくりと焼かれたアスパラガスは、とろとろでジューシー。先ほど味わったフレッシュさとはまた違う、じんわりとした甘さが口いっぱいに広がります。採って、調理して、食べて。アスパラガスの魅力をたっぷりと堪能しました。

Spot.4 道の駅はなやか小清水

小清水町自慢の食材は、アスパラガスや小麦だけではありません。じゃがいももお忘れなく。そんなじゃがいもを使った小清水だけの特産品があると聞き、道の駅「はなやか小清水」(https://www.town.koshimizu.hokkaido.jp/hanayaka/)にやってきました。

ここで手に入れたのは、小清水産じゃがいもを100%使用したスイートポテト「小清水とろり」。手のひらサイズが可愛い、ひんやりとしたスイーツです。

「小清水町だけの特産品を作りたい」という思いから生まれた、じゃがいものスイートポテト。その名のとおり、とろけるような滑らかさとじゃがいもの甘味が楽しめます。味はカスタードクリームを重ねた「キタアカリ・メークイン」と、ルバーブジャムと組み合わせた「ルバーブ」の2種類。意外にも感じるルバーブとのコラボは、まちでルバーブを生産する農家のお母さんたちがジャムを作っていたことから生まれたものだそう。どこまでも、小清水メイドなのです。

小清水町のおいしい恵みをいっぱいにいただいた1日。パンやうどん、コロッケなど、小清水産の特産品を活かしたグルメは、まだまだ町内にあるよう。またお腹を空かせて訪れたいと思います。

スロウ日和編集部

「小清水とろり」は道の駅のほかに、カフェもいもいアグリハートセンターでも販売されています。

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好みも、趣味もそれぞれの編集部メンバー。共通しているのは、北海道が大好きだという思いです。北海道中を走り回って見つけた、とっておきの寄り道情報をおすそ分けしていきます。