心がほっとする、彩り豊かなランチプレートが食べられる牧場カフェ〈Farm kitchen 佐倉cafe〉

佐倉cafeは、士幌町佐倉地区で母と娘の2人が営んでいるカフェです。2018年、母厚子さんの「ほっとできる空間を作りたい」という思いからオープンしました。紺色を基調とした店内には窓から光が差し込み、身を置いているうちに、心が落ち着いてくるのを感じます。そんな空間でいただけるのが、バリエーション豊かなランチプレート。オープンから5年目を迎え、今後も挑戦を続けていこうとする2人の姿にきっと勇気をもらえるはずです。(取材時期 2022年9月)

Shop Data

Farm kitchen 佐倉cafe
住所 士幌町中士幌
電話番号 01564-7-7780
営業時間 11:30~15:00(L.O.14:30、ランチL.O.13:30)

※ランチは数量限定のため予約優先。
定休日 月~水曜

※12月17日~3月末まで休業。2024年からは完全予約制。
URL https://www.sakura-cafe.jp

料理好きな酪農家の母が始めたカフェ

「もう、今日も朝から喧嘩ですよ。おかずを作りすぎだって(苦笑)」と話すのは、北出愛さん。「たくさん野菜が採れたのだからもったいない」と返すのは愛さんの母、山岸厚子さん。佐倉カフェは愛さんと厚子さんの2人が中心となって運営している。士幌町佐倉地区。厚子さんの夫・利明さんと、愛さんの夫・敦人さんが営む山岸牧場の近くに店がある。

左から、娘の北出愛さん、母の山岸厚子さん、スタッフの上野マミさん。

酪農家の母として、搾乳などの仕事をしながら台所に立ち続けてきた厚子さん。料理が好きで普段の食卓のほか、お盆や正月など親戚一同が集まる機会に腕をふるってきた。山岸家は子どもや孫も集まると20人以上。量を作ることには慣れっこだ。

「新しい自分」に出会い、これからもチャレンジしていく

そんな厚子さんの夢が、人がほっとできる空間を作ること。2018年、念願叶ってカフェをオープンした。だが当時は苦労の連続。母娘には飲食業の経験がなかったからだ。仕込み、盛り付け、彩り、接客…。5年目を迎えた今年は、「随分良くなった」のだとか。

厚子さんのレシピの数も、料理本などから取り入れて大きく増えた。夏場であれば野菜の多くは、自家菜園で採れたものを使用。植えたり、育てるのは厚子さん、収穫は夫の利明さんの役割。野菜だけでなく、近隣から山菜を採ってくることもあるという。

採れたての素材で作る料理のバリエーションも豊富。揚げいもの肉じゃが、ナスの田舎煮、あんから作る春巻き、トマトゼリーなどランチプレートに並ぶおかずは7品、メインは1品、のはずだが…。目の前にあるのは、どう見ても7品より多い。客としてはうれしいが、「いいのだろうか」心配になるほどだ。 

何だかんだ、言いたいことを言い合える母娘の2人。愛さんは「これまでは勢いと感覚でやってきたけれど、店を通じて、物事をじっくり考えられるようになった。新しい自分に出会えた」と前向き。型にはまらずチャレンジを続ける2人の姿に、勇気を分けてもらった。

佐倉cafeの皆さん

2024年春は4月4日オープン!営業日すべての日が 「完全予約制」になりますので、前日15時までに ご予約くださいね。

この記事の掲載号

northernstyle スロウ vol.73
「巡る道具、巡る記憶」

大切に受け継がれる古道具と、それにまつわるもの。それらを今、そして未来に残し伝える意味や思いに考えを巡らせる。

この記事を書いた人

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猿渡亜美

剣山がきれいに見える十勝の山奥で、牛と猫とキツネと一緒に育ちました。やると決めたらグングン進んでいくタイプ。明治以降の歴史や伝統に心を揺さぶられ続けています。