そばのまち・幌加内の魅力を味わう。モニターツアー体験記

そばの産地として知られる道北のまち、幌加内町。スロウ60号の取材を通して出会ったそば農家の坂本勝之さんの人柄やそばの花畑の美しさに心惹かれ、何度も足を運んできました。今回、そんな幌加内町の皆さんからモニターツアーのお誘いをいただき、そば打ち体験のほか、そば挽きやそば殻枕づくりなど、そばの魅力が詰まったプログラムを体験させてもらいました。この記事では、その体験レポートをお届けします。

1. そば挽き 、ガレット作り、そば殻枕作り

幌加内町を訪ねたのは、2021年10月のこと。まずは、旧政和小学校にてそば挽き 、ガレット作り、そば殻枕作りの体験。校舎内の体育館を3つのブースに分けて、すべての体験がローテーションで行われました。2007年に閉校した政和小学校は、現在は毎年夏に開催される政和アートフェスの会場として活用されています。ステンドグラス作家の吉成さんが、「廃校舎を再利用してアートの展示会をしたい」と発案したことがきっかけで2012年より開催されています。

まずは、 そば挽き 体験から。 そば挽き とは、石臼を使ってそばの実から粉を引くこと。今回の体験では、石臼を使ってガレット用のそば粉を作りました。日常生活の中で石臼を使う機会はなかなかなく、新鮮な感覚。作ったそば粉は袋詰めして、お土産用に持ち帰ることができます。

普段は使われずに眠っているという石臼。久しぶりの使用でも全く問題ありません。

続いて、町内で販売されている北村蕎麦製粉のそば粉を使ったガレット作り。ガレットはフランス・ブルターニュ地方発祥のそば粉クレープのこと。体験では、卵・ハム・チーズをトッピングし、定番のスタイルでいただきました。

そば殻枕作りの行程は至ってシンプル。初めにそば殻をふるいにかけてごみを取り除いた後、目の細かい枕サイズの洗濯ネットにお好みの分量で詰めれば、オリジナルの枕が完成です。作った枕はそのままお持ち帰り。そば殻枕は通気性が良いので、暑い夏の夜に使うのが今から楽しみです。

体験終了後は幌加内町の吉成さんのガイドのもと、アート作品の見学。ノスタルジックな校舎の中にセンスあふれる作品が点在していて、感性を刺激される空間でした。校舎の窓から見下ろす田園風景も情緒があふれています。

2. そば打ち体験

旧政和小学校から物産館へ移動し、物産館の一角にあるそば屋「まる店」へ。そば打ち体験の講師は、幌加内高校そば局に所属する生徒2人!なんと幌加内の高校生はそば打ちが必修科目で、段位を取得できないと卒業できないのだとか。講師をしてくれた2人は、そば局(部活動のようなもの)に所属し、共に2段を所有しているのだと話してくれました。レクチャーの端々にそば愛があふれていて、幌加内に伝わるそばカルチャーを感じます。

教えてもらいながら実際に体験してみましたが、そば打ちの作業は一つひとつがとても繊細なことに驚きました。講師のほかにも町のスタッフがついてくれて、細やかにサポートしてくれるのが心強かったです。

そばを打った後は、自分で作ったそばとプロの手打ちそばの食べ比べができます。自分で作ったそばに愛着が湧いたり、プロが打ったそばの出来栄えに感心したりしながら、どちらもおいしくいただきました。全部で1.5人前程度のそばをいただいたので、お腹もいっぱい。作ったそばの一部は持ち帰りもOK。帰ってからも、旅の思い出に浸れるのがうれしいポイントです。

3.体験終了

ツアーの最後には、「せいわ温泉ルオント」へ。10月にしては冷え込んだ日だったので、芯から冷え切った身体に温泉が染み渡りました。温泉の温度は、ややぬるめ。柔らかい泉質で湯上りの肌はしっとり。開放的な露天風呂もありました。清潔感にあふれた館内で温まりながら、今日の体験を振り返っていました。

実は今回、天候の影響もあり野外でのアクティビティは体験できなかったのですが、それでも充実した体験をすることができました。町の特産品であるそばの魅力をさまざまな角度から楽しめて、そば好きにはたまらない1日。体験を通して、幌加内の皆さんと交流できるのもこういった町主催のツアーならではかもしれません。今度は、そばの収穫シーンなども見学してみたいし、町内のそば屋さんも巡ってみたいと、新たな楽しみを胸に抱きながら、帰路に着いたのでした。

スロウ日和編集部

そば尽くしツアーは、商品化に向けて準備中。またお知らせしますね!

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スロウ日和編集部

好みも、趣味もそれぞれの編集部メンバー。共通しているのは、北海道が大好きだという思いです。北海道中を走り回って見つけた、とっておきの寄り道情報をおすそ分けしていきます。