家庭のおいしい記憶から始まるカフェ〈komame〉

月曜日限定メニュー、『月曜日のこんがり野菜スキレット(1,400円)』はドリンクとミニデザート付き。コッペパンは江別市の「ほっぺぱん」のもの。野菜は日替わり。パンはごはんに変更になることもある。手作りの豆腐マヨネーズソースとニンジンドレッシングソースでいただく、旬の野菜のみずみずしさがたまらない。

南幌町の畑が広がる道に、鮮やかな青いドアの小さなカフェ〈komame〉があります。komameの料理を食べて何より驚いたのは、みずみずしい野菜のおいしさです。その理由は、隣の農家〈なんぽろ風蔵〉で獲れる、できるだけ減農薬で作られたこだわりの野菜たちでした。

Shop Data

おうちごはん komame
住所 南幌町南16線西18
電話番号 080-5910-2277
営業時間 11:00〜14:30
定休日 土・日曜、祝日(今季の営業は、10月30日まで。11〜4月は冬期休業)
URL https://www.instagram.com/komame_mameko/
席数 20席
店主の出身地 中川町

いつかカフェを開きたい。そんな夢を抱いている人は多いことだろう。けれど実現させるのは、思った以上に難しい。多くの場合、タイミングや土地の縁など、「よくわからない力」が重なって、夢は少しずつ形になっていく。おうちごはんkomameの店主、山口千恵子さんもまた、そのひとりだった。山口さんの母親と、いとこで共同店主の播磨桃子さんとその両親。カフェ開業が昔からの夢だったという親族5人で店を営んでいる。

「なんぽろ風蔵」という野菜の直売所の隣にある空き店舗を見つけたのは、山口さんがカフェ実現への夢をほんのり意識し始めた頃。とんとん拍子に話は進み、先方の提案で、1ヵ月のお試しオープンを体験させてもらうことができた。思った以上の手ごたえがあったことから、みんなの決意は固まった。2018年5月、畑を見渡せる静かな場所に、komameはオープンした。

試食を重ねて決めるというメニューのテーマは、「おいしい記憶」。唐揚げ、ナポリタン、チキンカレーなどの定番メニューは、それぞれが作ってきた家庭料理が出発点。だから、「カツはじいちゃん、コロッケは母さんとかって、メニューによって作る人が変わるんです」。使う食材はほとんどが南幌産。野菜や米はこだわって作られたものをなんぽろ風蔵から仕入れる。ベーコンやハムは町内の工房「ハントヴェルク」から。ソースやドレッシングはすべて自家製だ。“こまめ”な気遣いから、リピート客も年々増えてきた。「また来てくれるお客さんがいることが、続ける原動力になっている」と、播磨さん。

2020年の新メニュー『こんがり野菜のスキレット』は、南幌のとれたて野菜のおいしさに改めて気づいたことで生まれた。「お店を始めて知った、南幌の食材のおいしさを伝えたい」と山口さん。今では、近所からだけでなく、遠方からも訪れる人がいるほど人づてにファンが増えている。

まるで実家に帰ってきたような優しい空間は、カフェへのまっすぐな思いを抱く、親族みんなで作り上げたものだ。

『レトロプリン(350円)』や、『なんぽろの雫(250円)』など可愛らしい自家製スイーツも人気。
komameを営む親族5人。家族経営の良さは「何でも言いたいことを言い合えるところ」。
定番メニューの『さくさくキャベツメンチプレート(900円)』。たくさんのキャベツが入ったメンチカツは、見た目とは裏腹に軽く食べられてうれしい。豚肉で巻かれたジューシーな野菜の揚げ物も美味。

(取材時期 2019年10月25日)

 山口千恵子さん

「スロウ日和をみた」で、音威子府そばについている、甘辛生姜ご飯のレシピ教えます♪

この記事の掲載号

northernstyle スロウ vol.64
「手紙に添えて」

コロナ禍を受けて。届けたい足元の豊かさ、今、変わらない思い、気づいたこと、考えたこと。変えていこうとしていることを綴った手紙。

この記事を書いた人

石田まき

石田まき

スロウ日和編集長。ライター兼カメラマン。初めて訪れた北海道で、空の広さに一目ぼれ。言葉と写真の両方でこの地の豊かさを伝えるため、九州から移住。ホタテが大好物。