konomichiのスコーンで、ふんわり幸福なおやつ時間。

おいしい焼き菓子のある日は、朝から少し浮足立つような気持ちになります。ふんわりと焼きあがるバターのあまくてミルキーな香り。心までふくふくと温まるような、幸せな時間。konomichiの籏谷千春さんが作るのは、そんな幸福をくれるスコーンです。(取材時期 2021年11月)

Shop Data

leather & bake KONOMICHI
住所 札幌市南区常盤6条2丁目107-18
電話番号 011-522-8325 
営業時間 11:00~17:00
定休日 月・金曜日、第1・3日曜日
URL https://www.instagram.com/konomichi.bk/

革製品と焼き菓子の店konomichi

札幌市南区。市街地から車で30分ほどの自然豊かな場所にある店舗の正式名称は、「leather & bake KONOMICHI」。元々は、夫である革職人の淳実さんが革製品の工房兼ショップとして開業した場所だ。

焼菓子があるのは、革製品が並ぶショップのレジの横に置かれた小さなアンティークのガラスケースの中。スコーンを中心に約10種類程度が並んでいる。「思った以上に反響を頂いて、びっくりしています」と、籏谷さん。2020年5月に販売を始めてから1年半、最近では平日でもオープン前から行列ができるほどの人気店になった。

「好き」が生み出す渾身の10種

ショーケースに並ぶスコーンは、生クリームミルク、抹茶チョコレート、黒糖キャラメル、クリームチーズラムレーズンなど、名前を読むだけでわくわくしてくるようなラインアップ。定番の8種類に加え、週替わりで2~3種類ほど、さらに週末限定でマフィンが登場する。「自分が『食べたいな』と思えるものを作っています。そうじゃないと、おいしく作れない気がして」。特に、「自分がそうだったらうれしいから」と、品名に付けられている具材を「どこをかじっても出てくる」ように、たっぷり入れるのがこだわり。思わず全種類買い占めたくなってしまう魅力的なフレーバーは、「好き」の気持ちから生み出されているのだ。

求められる限り、応えたい

とはいえ、製造から陳列、販売までをほぼ一人でこなしている籏谷さん。前日から仕込み、当日は朝の4時からせっせと焼き上げて、オープンの11時ギリギリまでかかっての製造は心身ともに大変な仕事。遠くから来たのに売り切れだと申し訳ないからと、少しずつ製造量を増やしてきたところ、腱鞘炎になってしまったこともあったとか。それでも、「お客さんから、『やっと来られた』『すごくおいしかった』と言ってもらえると、うれしくて。味のリクエストも、たくさんいただくときには結構応えてしまうんです」と、笑顔を見せる。

特別じゃなく、日常のおやつ

お菓子のコンセプトは「特別じゃなく、日常のおやつ」。「身体に優しい」や、「こだわりの素材」という謳い文句は確かに魅力的だけれど、やっぱり突き詰めれば本音は何より「甘くておいしいおやつを食べたい」。だから、日々にこんなおやつがあってほしい、と思えるものを作ることこそが、一番のこだわり。原料の素材については、「おいしくしたいと思っていろいろ試した結果、気づいたら北海道産が中心になっていた」とのこと。

自然環境も楽しみつつ、訪れて

通うには便利とは言い難い立地のため、わざわざ来てもらった人をガッカリさせたくないからと、焼き菓子の取り置きも受け付けている。店頭販売分を確保するために、種類によっては制限がかかる場合もあるが、公式インスタグラムで告知されるラインアップを確認し、事前に予約しておくのが確実。ただし、あくまでも一人で作れる量には限度があることをお忘れなく。「お客さんとお話するのも楽しいし、接客を疎かにしたくないから」という籏谷さんの温かい人柄にもしっかり触れてほしいから、ぜひとも、おおらかでゆったりとした気持ちで訪れてみてほしい。

スロウ日和編集部

konomichiの革製品部門、籏谷淳実さんが手がけるクラフトについては、「革小物の職人に憧れて20年。KONOMICHIが選ぶ道」でご紹介しています!

この記事を書いた人

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片山静香

雑誌『northern style スロウ』編集長。帯広生まれの釧路育ち。陶磁器が好きで、全国の窯元も訪ねています。趣味は白樺樹皮細工と木彫りの熊を彫ること。3児の母。