自然素材の家づくり。下川町の〈キタ・クラフト〉

下川町のメインストリートに赤レンガ色の木が映える、町の工務店「キタ・クラフト」。森林の町、下川町にある小さな工務店です。創業者の加藤さんも、森林を活用する下川町の取り組みに心動かされ、移住してきたうちの1人。道産木材を中心に使用し、木の温もりを活かしながら、クライアントのニーズをひとつずつ丁寧に拾い上げ、形にする「キタ・クラフト」へ。

Shop Data

キタ・クラフト
住所 下川町幸町113
電話番号 050-5316-4913
URL https://kitacraft.com/

自分だけの、「理想の家」を叶えてくれる工務店

理想の家について考えてみる。例えば、爽やかな木の香りが感じられる家。あるいは、自分だけのとっておきのこだわりを詰め込んだ家。もちろん、寒い冬でも快適に過ごせることも大切だ。どんな家であれ、家族の笑い声が絶えない、温もりに満ちた家であったなら良いなと思う。

家(あるいは店舗など)を建てる人には、多かれ少なかれ「こんな風にしたい」というイメージや憧れがあると思う。木の温もりが感じられるこだわりの家を建てたいという人にとって、下川町の工務店キタ・クラフトは、まさに打ってつけの相談相手になりえるだろう。

キタ・クラフトの代表であり、自らも大工として現場に立つ加藤滋さん。東京生まれの東京育ちという加藤さんが初めて北海道を訪れたのは、20歳頃のこと。一度目は友人と、二度目はひとりで。季節は夏。バイクに乗って旅をしている途中、富良野市で「ログハウス造りを手伝わないか」と声をかけられたそうだ。「それがすごく楽しくて。1ヵ月くらい手伝うつもりが、気づいたら冬を越しちゃってました」。当時の加藤さんに建築の知識などはなかった。しかし、雄大な自然の中で木に触れるうちに、「北海道で建築の仕事をしたい」という思いが、ムクムクと膨らんでいったという。

それからの加藤さんの行動は早かった。早速、ログハウス造りを請け負っている小樽の建築会社に就職し、ログビルダーのノウハウを学んだ。その頃には、「自分で家を建てるなら、ホンモノの木を使いたい」と考えるようになっていく。

その後は建築大工になるために職業訓練学校に通い、卒業後は寺社建築なども手がける宮大工の下で腕を磨いた加藤さん。木と身近に関わることのできる町に行きたいという考えから、30歳のときに下川町へ。3年後に独立し、キタ・クラフトを立ち上げることとなる。

林業を中心に町づくりを進める、先進的な雰囲気に惹かれて

「ホンモノの木を求めている人が、きっといるはず」と加藤さん。キタ・クラフトが目指すのは、下川町産の木材を中心に、北海道産の天然木をたっぷり使った自然体の家造り。

「ひとつとして同じものはない」木材の個性や表情を活かして顧客のイメージを形にしていくのが、加藤さんの仕事。時にはクライアントを現場に招き、細部に渡って微調整を重ねながら造り上げていく。分業化が進んでいる建築業界にあって、「顔が見える距離」にいられることは、キタ・クラフトの最大の強みだろう。クライアント自身が家造りに深く参加できるという点で、こだわりたい人にとってはなおのこと、家が出来上がるまでの過程が楽しくなるに違いない。また、家具のオーダーメイドも行っているとのことで、こちらも加藤さんが手ずから制作する。

こうして、「幸せをイメージできる家」が出来上がるのだ。

ショールームはまるで雑貨屋さんのようで、気軽に訪ねられる雰囲気。
この記事の掲載号

northernstyle スロウ vol.47
「馬の温もりと共に」

圧巻の迫力がありながらも、どこか愛くるしい馬たち。北海道には開拓の時代を超えてもなお、大切な仲間として、馬と共に生きる人々がいた。

この記事を書いた人

家入明日美

家入明日美

火の国・熊本出身。野生動物の勉強がしたくて北海道へ移住し、自然のことを伝えたくてスロウ編集部に入る。馬とナキウサギ、やんちゃな飼い猫と怒髪天が心のオアシス。