大学を卒業してまもなく、地域おこし協力隊に就任。最近はそんな事例も増えてきました。上川町でアウトドアプロデュサーとして活動する近江美久さんもその一人。北海道教育大学岩見沢校に通い、アウトドア・ライフコースでキャンプや登山など、「アウトドア尽くしの4年間」を過ごした近江さん。大雪山の魅力を知り、伝えていく新しい仕事を楽しんでいます。
大学の授業で出合った大雪山
「住んでいる部屋の窓から、毎日山が見えるんです。それがすごくうれしい」。にこやかに話す近江美久さんが、新社会人として歩き始めたのは、大好きな山のふもと。そこはまだまっさらで、新しい場所だ。
近江さんは北海道教育大学岩見沢校のアウトドア・ライフコースで、キャンプや登山など、「アウトドア尽くしの4年間」を過ごした。初めて大雪山を歩いたのも、大学の授業でのこと。「いい山だなぁ」。旭岳からトムラウシまで2泊かけて歩く中で、大変なことも経験したが、歩き終えたときに残っていたのは、そんな純粋な気持ちだった。
大学4年生の9月、再び大雪山を歩きに、上川町を訪れた。卒業後の進路を考えていたところ、元々友人だった層雲峡ホステルの志水陽平さんから、「カミカワークプロデューサー」の募集について教えてもらう。
「北海道の自然に関わる仕事がしたかったのと、ゼロからのスタートってところにも惹かれて。『アウトドアプロデューサー』に、これだ!と思いました」。
創り出すことへのわくわくでいっぱい
上川町の自然を、まずは自分自身が楽しみながら知って、町を訪れる人々に向けて発信していく。それが、アウトドアプロデューサーとしての現在の仕事のひとつ。
これから挑戦したいことを尋ねたら、「まずガイドの資格をとりたい。アウトドアに興味を持ってもらうきっかけを作りたいから、グランピングもやりたいし、ゆくゆくは上川に森のようちえんを作りたくて…」と、たくさんの答が返ってきた。
「この町の自然が大好きで、ここに来たから」。そう話す近江さんの表情は、何かを創り出すことへのわくわくで満ちていた。