好きなことを選びとって、辿り着いた場所で〈3Bird〉

自分たちの暮らしを心地よく、住みよくするために。札幌市から黒松内町、余市町へと住まいを移ってきた3Birdの藤井夫妻。二人にとって、3Birdも追い求める暮らしの延長にあるものなのです。この店を作っていくことが、仕事であり、暮らしでもあります。

Shop Data

HOME ROASTED COFFEE 3Bird
住所 余市町入舟町341
電話番号 0135-48-6399
営業時間 7:00~15:00
定休日 月・火・水曜
URL https://www.instagram.com/3bird.yoichi/

「作り出すことが好きなんでしょうね」と、藤井一歩さんは気負いのない様子で笑う。「私は昔から食べることや、人と触れ合うことが大好きで」とは、妻の育子さん。自らの仕事に見出す魅力は異なれど、2人から伝わってくる「今の暮らしや仕事が楽しい!」という思いは共通している。お互いと、一人息子。家族3人、余市での日々が始まって1年が過ぎた。

札幌で、店舗経営を含む飲食関係の仕事を約15年。家族の時間を大切にしたいという思いから移住した黒松内町では、移動販売車で本格的な自家焙煎コーヒーの提供を始め話題を集めた。自然豊かな環境、たっぷりある時間、何より大切な家族がいる。そんな生活が8年続き、息子が中学に上がる時期を迎えた。暮らし方や生き方を改めて見つめなおし、選んだのは再びの移住。行先は余市町。「海も山もあって食材がおいしい! ちょうどいい住み心地の町」。

新しく始めた店は、人が気軽に出入りできる雰囲気にしたいからと間口を広めに。正面のカウンターは、デザイナーとしての顔も持つ一歩さんのお手製だ。配置した家具類の多くは、札幌時代から使っている愛着のあるもの。2人の飾らない人柄と相まって、ずっと昔からこの場所にあった店のような親しみ深い雰囲気が漂う。

メニューは食パンやサンドイッチ等、「コーヒーに合うもの」を。パン類の生地はすべて同じで、一歩さんが昔から家族のために作っていた食パンのレシピが元になっている。「作りながら、パンの世界を探っていくのが面白い」と一歩さん。コーヒーの焙煎を一手に担う育子さんもまた、豆ごとに異なる特徴を溌剌と話してくれた。

「生きる」ことと真面目に向き合って、選んできた道。悩むことはあっても、何かに執着することはない2人の在り方がとても清々しい。店名は3Bird。家族3人で、空を羽ばたく鳥のように自由に生きていく。

道産小麦を独自にブレンドした生地で焼き上げる食パン。「すっごくおいしい!」と太鼓判を押す育子さんに、一歩さんが照れ笑い。焼き菓子類は育子さんが手がける。早朝7時オープンなので、出勤前などに立ち寄る人も多い。
店内では2人が気に入った雑貨類も扱う。
コーヒー、食パンに続いて人気上昇中のサンドイッチは約10種類。皿の右から時計回りに、『余市北島ポークのハーブサンド(380円)』、『厚焼き卵とチェダーチーズ(300円)』、『生ハムとキュウリのサンド(300円)』、『カレーパン(250円)』。この日の『本日のコーヒー(400円)』は、フルーティな香ばしさのジャイアント・バーニーというブレンド。テイクアウト可。

(取材時期 2019年7月25日)

藤井一歩さん

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この記事の掲載号

northernstyle スロウ vol.60
「継ぎたいものは、何ですか?」

創刊15周年を迎えた60号。歴史的建造物やアイヌ民族の家庭料理など。彼らは何に価値を見出し、どんな思いで「継いで」きたのだろう。

この記事を書いた人

家入明日美

家入明日美

火の国・熊本出身。野生動物の勉強がしたくて北海道へ移住し、自然のことを伝えたくてスロウ編集部に入る。馬とナキウサギ、やんちゃな飼い猫と怒髪天が心のオアシス。