亜麻を紡いで糸から布へ〈スロウなツアー〉

淡いブルーの花を咲かせ、繊維はリネンに、種からは上質なオイルが採れる亜麻という植物。100年以上前から北海道で栽培されてきた植物ですが、その魅力を知らない人も多いのではないでしょうか。岩見沢市の工房亜麻音(あまね)を訪ねて、繊維を取り出して糸を紡ぎ、小さな布を織ってみましょう。完成した布はくるみボタンにしてお持ち帰りいただきます。繊維としての亜麻の魅力、手仕事の奥深さと楽しさを実感できる2時間程度の体験です。

Shop Data

亜麻を紡いで糸から布へ
集合場所 岩見沢市栗沢町必成329-2
催行期間 6月上旬~10月下旬(毎週月曜・毎月第1土曜、第3日曜は催行不可)
時間 13:00~15:00

料金 大人4,950円/人
行程 亜麻に関するレクチャー→糸紡ぎ体験→布織り体験→くるみボタンづくり
予約はコチラ https://slow-life-hokkaido.com/ja/tour/flax-spinning-and-weaving-experience

取材を通して知った亜麻の魅力を、もっと伝えたくて

スロウ53号「亜麻咲く北国の未来」の取材を通して、私たち編集部は亜麻に夢中になってしまいました。それまでも可憐なブルーの花の美しさは知っていましたし、リネンなどの天然素材にも関心はありました。しかし、その栽培好適地が国内で北海道を置いて類を見ないことや、国策で栽培が実施されながらも化学繊維に取って代わられ、栽培方法自体が途絶えてしまったことはあまり知られていません。亜麻が辿ってきた物語を知るうちに、「亜麻をもっと知りたい」、「亜麻がもっと普及してほしい」という思いを抱いたのでした。

工房亜麻音の小野田由美さんとの出会いも、スロウ53号の取材がきっかけでした。岩見沢市の工房で、亜麻を栽培し収穫するところから、糸を紡いで手織りで布にするまでを一人で手がけている小野田さん。文字にしてしまえばたった数行ですが、この工程をすべて一貫して行っている人はごく少数。大変な手間と時間がかかる作業をいつも、「物好きですよね」と笑いながらこなしています。亜麻を楽しみ、深く知る小野田さんを訪ねて、実際に亜麻に触れることで、きっとその魅力が伝わるはず。そんな思いでこのツアーを作りました。

糸車も機織り機も、自分の手でやってみる

小野田さん曰く、この体験は、「亜麻の糸を紡いで、布を織る作業のいいとこどり」。最初は楽しいことが一番だから、と考えてくれました。乾燥した亜麻の茎から繊維を取り出すところからのスタートです。うっすらと淡い金色がかかったようなきれいな色に「これが亜麻色!」と感動すると同時に、さっきまで茎だった植物から細い繊維が取り出せたことに思わず驚いてしまいます。

亜麻の繊維を取り出していく。

繊維から糸を紡いでいく作業はちょっとコツが必要ですが、隣で小野田さんが「いいですよ~上手上手!」と見守ってくれます。次第に夢中になり、カタカタという糸車の音が工房に響き始めます。糸を紡いだら、機織り機を使って布を編んでいきましょう。糸紡ぎの時、ちょっと太くなったり、細くなったりした部分も布の表情として、いい味を出してくれます。再び、黙々と布を織る静かな時間が続きます。

糸を紡ぐ過程は基本的に羊毛と一緒。
実際に開催されたツアーの様子。

布ができたら、最後に仕上げ。ヘアゴムやブローチにできる、くるみボタンを作っていきます。糸から自分で手作りしたボタン。自分の手で作り出す達成感と喜びはとても大きなものです。じっと眺めているだけで、心がじんわり温かくなるような愛着が湧いてきます。完成したボタンは、旅の記念にお土産としてお持ち帰りください。

触れて、編んで、思うこと

帰り際、小野田さんが小さな箱を渡してくれました。中に入っていたのは、亜麻の実や、亜麻の繊維、亜麻についての説明書き。「作業が駆け足だったから、お家に帰った後でも亜麻のことを思い出せるように」という思いが込められています。ある参加者の方は、「来年、庭に亜麻の種を蒔いてみたい!」と興味津々。小野田さんに栽培方法を質問していました。手仕事の奥深さと楽しさに触れながら、亜麻という植物について知ることで、亜麻の未来に少しでも思いを馳せることができたなら。それほどうれしいことはありません。

この記事を書いた人

スロウ日和編集部

スロウ日和編集部

好みも、趣味もそれぞれの編集部メンバー。共通しているのは、北海道が大好きだという思いです。北海道中を走り回って見つけた、とっておきの寄り道情報をおすそ分けしていきます。