食事と喫茶。広がっていく、店の在り方。〈食堂と喫茶 poppotei〉

JR摩周駅のすぐ隣。食堂と喫茶 poppoteiでは、食事もコーヒーも楽しめます。菅原慎也さんと妻の綾子さん、そして綾子さんの両親との二世代で営むこの店は、綾子さんの両親が営んできた「お食事処 ぽっぽ亭」をリニューアルして生まれました。長年愛されてきた定番メニューと、ホッと息をつける甘いもの。訪れる人々は、思い思いの時間をここで過ごします。(取材時期 2021年12月)

Shop Data

食堂と喫茶 poppotei
住所 弟子屈町朝日1丁目7-18
電話番号 015-482-2412
営業時間 10:00~19:00(L.O.18:30)
定休日 不定休
URL https://poppotei.wixsite.com/home

リニューアルで加わった、新たな過ごし方

道東方面へドライブする際、寄り道したくなるカフェがある。この日、弟子屈町に着いたのはちょうど午後3時頃。「ちょっとひと休みしていこう」。

poppoteiは、菅原慎也さんが妻の綾子さんと、綾子さんの両親との二世代で営む店。元々は、綾子さんの両親が営んでいたのが「お食事処 ぽっぽ亭」だった。2018年に「食堂と喫茶poppotei」としてリニューアルし、綾子さんの両親が長年作ってきた『摩周豚丼』などの定食メニューに加え、札幌の喫茶店で働いていた慎也さんが淹れるコーヒーなどの喫茶メニューが楽しめるように。

「喫茶の要素が加わって、若い人たちが来てくれたり、食堂の頃からの常連さんがお茶をしに来てくれたり。リニューアルをきっかけに、久しぶりに顔を出してくれたお客さんもいて。店の在り方が広がった感じがします」とは、慎也さん。

店内を見渡してみると、おしゃべりを楽しむ地元の人たち、遅めの食事をとるサラリーマン風の人、ノートパソコンを開いて何やら相談中の若い2人組など、客層も過ごし方も幅広い。お昼時を逃しても、定食メニューが注文できるのもうれしいところだ。

感謝を胸に、日々を丁寧に

地元の牛乳を使った固めのプリンは、喫茶を始めるときに、「誰からも愛されるような甘いものがあったらいいな」と考えたメニュー。どこか懐かしい素朴な甘さで、コーヒーとの相性が良い。最近では、「poppoteiのプリンが食べたくて」と遠方から訪れる常連客もいるそうだ。

慎也さんの言葉の端々には、日々訪れてくれる人への感謝や店を営むことへの喜びがあふれている。「目の前のお客さんが本当に喜んでくれているなって感じる瞬間があるんです。それが伝わってくると僕もこう、たまらなくうれしい気持ちになるんです」。顔を綻ばせて話す慎也さんの表情を見ていたら、poppoteiがたくさんの人に愛される理由がわかる気がした。

この記事の掲載号

northernstyle スロウ vol.70
「北のチーズは、脈々と」

北国の風土に寄り添ったチーズづくり。この地で脈々と継承されながら、独自の変化を遂げてきたその技術は、これから先も、未来へと繋がっていく。

この記事を書いた人

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立田栞那

花のまち、東神楽町生まれ。スロウの編集とSlow Life HOKKAIDOのツアー担当。大切にしているのは、「できるだけそのまま書くこと」。パンを持って森へ行くのが休日の楽しみ。