道北の町、下川町で暮らす人たちを訪ねる特集『下川町でスロウ日和』。今回お話を聞いたのは、園部峻久さん。「河童なガイド屋 Saike(サイケ)」としてガイド業を営む園部峻久さん。下川町へ辿り着いた頃のこと、下川の川の魅力について教えてもらいました。(取材時期 2023年5月)
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河童なガイド屋 Saike(サイケ)
電話番号 080-6087-0240
Instagram@ be_yan_kappa_guide
※冬は雪板など山でのアクティビティを提供しています。詳細は問い合わせを。
自身の〝楽しみ〟から生まれる川辺のアクティビティ
川を歩いて探検する「リバーウォーク」や渓流釣りの案内など、川をフィールドにガイド屋として活動する園部峻久さん。茨城県出身で、子どもの頃から自然の中で遊ぶのが大好き。家族と共に何度も北海道を訪れるうちに、「自然豊かな北海道で暮らしたい」と思うようになり、大学進学を機に北海道へやって来ました。
社会に出てからは、アウトドアに関わる仕事をしながら道内各地を転々としていた園部さん。今から5年ほど前、「良い川を探し求めるうちに」下川町へと流れ着きました。「いろんな川を見てきましたが、下川を流れるサンル川や名寄川は人の気配が少なく、静かで良いなと思ったんです」。
最初は観光協会の職員として川辺でのアクティビティを開発し、2020年に独立。「河童なガイド屋 Saike」として、町内外の人々に自身の経験を通して見つけた川の魅力を伝えています。
「僕は外からやって来て新しいことを始めているわけですけど、誰ひとり煙たがる人がいませんでした。誰かのやりたいという気持ちを後押しし合える空気が、このまちの魅力のひとつだと思います」。園部さんが独立するときには、仲間たちが集まって一緒に屋号を考えてくれたそう。
一歩離れた場所から見守りつつも、必要なときには手を差し伸べてくれる下川の人々。その「ちょうど良い距離感」こそが、このまちに移り住み、小さな営みを始める人が多い理由になっている気がしました。
園部さんが提案する3つのアクティビティ
「下川の川の魅力って?」と園部さんに尋ねてみました。1つ目は「人の気配が少なく静かなこと」、2つ目は「短い距離の中でも変化に富んだ環境が楽しめること」、3つ目は「市街地からの距離が近く気軽に遊びに行けること」。この日案内してもらった場所も市街地から車で5分ほど。川辺を少し歩くだけで岩場や砂浜、流れの急なところと緩やかなところが見えたりと環境の変化を感じることができました。
そんな川をフィールドに、園部さんが案内するプログラムを3つご紹介します。
①リバーウォーク
園部さんが下川に来た頃から大切にしてきた定番のプログラム。ひと言で言えば、「川の散歩」。川の中に入り、深さの違いや岩の様子、すぐ側を泳ぐ魚の姿などを観察しながら歩き、川を探検していく。開催は春から秋にかけて。「地元の子どもたちにまちの自然を伝える活動にも力を入れていけたら」と、話してくれました。
②フローイング
ボートやカヌーを使わずに、全身を川の流れに預けて流れていく川下り。川の流れを知り尽くした園部さんに案内してもらうからこそ、安心して体験できる内容です。
③オーダーメイドツアー
参加者の要望に合わせてアテンドするツアー。釣り人からの依頼も多く、その日の川の状況を見て、ニジマスやヤマメ、アメマスなどのフィッシングポイントへ案内しています。
(プログラムの写真提供/すべて園部さん)
園部さんとスロウ編集部の往復書簡
取材を通して感じたことを尋ね、お返事をもらう文通企画を始めました。
外から来る人を受け入れることも多い園部さん。このまちで体験してほしいこと・時間はどんなものでしょう?
立田
ぼーっとしてほしいです。人間社会は人が作ったものだから、人の頑張りで上にも下にもいけます。悪く言えば、「頑張れてしまう」。下川の自然には、人が「絶対に敵わない水の流れや森の生き物」、「絶対に敵わない情報量」があります。そんな自然の中ウッドデッキにでも寝転がり、ただそこに在る自分としてボケーっとしてみてはどうでしょうか。頑張ったところで敵わない存在に包まれるって案外気持ちいいですよ。まあ…これまた悪く言えば諦めの境地的な考え方かもしれませんね(笑)。
橋本
下川町で活き活きと自分なりの暮らしを営む人々の物語は、特集「下川町で、スロウ日和」からのぞくことができます。定期更新中ですので、ぜひ寄り道してみてくださいね。トップページは上のボタンから。記事の一部をこちらに掲載します。
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