まちとつなぐ、音を奏でる。〈空き家コーディネーター・徳間和彦さん〉

ギター収録の様子を見せてくれた徳間さん。

道北の町、下川町で暮らす人たちを訪ねる特集『下川町でスロウ日和』。今回お話を伺ったのは、下川町で空き家コーディネーターとして活動する徳間和彦さんです。下川といえば、個性豊かな人々が次々と移住してわくわくする何かを始めているまち。そんなまちで、空き家と移住者をつなぐ役割を担ってきたのが徳間さん。その仕事ぶりと、ライフワークである音楽について教えてもらいました。(取材時期 2022年5月)

Shop Data

徳間和彦さん
※空き家に関する問い合わせは、下川町産業活性化支援機構タウンプロモーション推進部まで。

「下川の空き家に関することなら、徳間さん」。

「こんな人が移住してきた」、「素敵なお店がオープンした」。町の規模としては小さいけれど、心ときめくニュースには事欠かない下川町。その数々のきっかけを作ってきたのが、空き家コーディネーターである徳間和彦さんです。

「移住と家は、切り離せないもの。でも、下川のような小さなまちには不動産会社がないんですよ」。15年ほど前に、行政コンサルの仕事がきっかけとなり札幌から下川町へやって来た徳間さん。5年ほど前から、空き家に関する業務に携わるようになりました。元々未経験の分野でしたが、コツコツと経験を重ね、今では「空き家に関することなら、徳間さん」と名前が挙がるように。町民にとっても移住希望者にとっても、心強い存在になっているようです。

どこにいても楽しめる時代に、リモートで音楽を。

そんな徳間さんのライフワークは「仲間たちと音楽を楽しむこと」。これまでは、町内のレストランや喫茶店で演奏会を開いていましたが、コロナ禍になってからはリモートでの収録にも挑戦。いつものように収録セットを広げながら、「たとえ地方にいたって、世界中の人とセッションが楽しめる。今の時代のいいところですよね」とうれしそうに話します。

iPadでリモート演奏会の映像を編集中!

口調や言葉の選び方、優しい頷きに、温厚で誠実な人柄が滲み出ている徳間さん。きっと今までも、「住む家を決める」という大事な場面で、徳間さんの温かさに触れてほっとした人たちがたくさんいたことでしょう。そんな光景が浮かびました。

徳間さんに聞く、この春のできごと。

1.仲介した物件で、アロマセラピーと漢方茶のお店がオープン。
町内で「薬草庵」を営んでいた塚本あずささんが、新しいお店「二十日-はつか-」を始めることに。空き家の仲介に携わりましたが、とてもスムーズに話が進みました。空き家情報は待っているだけだと出合えないので、日頃から町の人たちの声をよく聞くようにしています。

2.海外のジャズイベントに参加しました。
YouTube経由でイベント担当者の方から声がかかり、ユネスコが開催する「INTERNATIONAL JAZZDAY」に動画部門で参加することに。町内外の仲間たちとリモートで収録した動画が特設サイトにアップされました。貴重な機会に恵まれて、とても光栄でした。

徳間さんのYoutube動画を紹介します。個人チャンネルはコチラ

過去に町内のレストラン「モレーナ」での演奏会の様子。

徳間さんとスロウ編集部の往復書簡

取材を通して感じたことを尋ね、お返事をもらう文通企画を始めました。

取材中、「どこにいても楽しめる時代」という話題になりました。下川町でたくさんの移住者の方を見守ってきた徳間さんが思う「小さなまちでの暮らしを楽しむコツ」は何だと思いますか?教えてくださるとうれしいです。
立田栞那

暮らしの楽しみ方は人それぞれ違うのでこれが絶対というものはありませんが、2つ思いつきました。1つめは、森林や川など豊かな自然と、自分はどう関わるか考えてみること。2つめは、小さなコミュニティを大切に身の丈に合った暮らしを送ろうとすること。自然との距離も、人との距離も都市部より近いですが、それぞれがちょうど良いバランスの上に成り立っているまちです。自然を楽しみ、人とのつながりを自分なりに築いていくことで、見えてくるものがきっとあると思います。
徳間和彦

スロウ編集部・立田栞那が見た下川町のありのままの姿をお届けする下川町便り。今回のお便りを通して、下川町に心ときめくニュースが絶えない理由の一つに触れることができました。

下川町で活き活きと自分なりの暮らしを営む人々の物語は、特集「下川町で、スロウ日和」からのぞくことができます。定期更新中ですので、ぜひ寄り道してみてくださいね。 

下川町の移住情報はコチラ

この記事の掲載号

northernstyle スロウ vol.71
「白樺が拓く、森と人の日々」

北海道の各地で目にする樹木、白樺。樹皮細工をはじめ、「材」としての活用にも注目が集まる今、その恵みと可能性を改めて見つめます。

この記事を書いた人

アバター画像

立田栞那

花のまち、東神楽町生まれ。スロウの編集とSlow Life HOKKAIDOのツアー担当。大切にしているのは、「できるだけそのまま書くこと」。パンを持って森へ行くのが休日の楽しみ。